シロイヌナズナの形質転換

形質転換とはある生物に遺伝子を導入して、その生物の本来の形質を転換させることを言います。当研究室ではシロイヌナズナに様々な遺伝子を導入して、その遺伝子の機能を調べるために、形質転換を行っています。ここではその手順を示します。

ドナーの準備

形質転換実験に使用する植物をドナー(donor)と呼びます。アグロバクテリウムは雌しべの中にある受精前の卵細胞に感染し、遺伝子を導入するとされています。形質転換を行う前についているさやや咲いている花からとれる種は形質転換されていないので、予め除去しておきます。

種を播いてからおよそ50日後のシロイヌナズナ。

開花した花やさやを取り除き、アグロバクテリウムの感染準備が整ったところ。

アグロバクテリウム感染液の準備

アグロバクテリウムが植物に感染しやすい環境をつくります。

30度で1晩振とう培養した後のアグロバクテリウム。
アグロバクテリウムの増殖に適した培地なので、このまま植物をつけると腐ってしまう。
この培養液を遠心して、菌を分離する。

遠心後の上清を三角フラスコに回収しているところ。
上清にはアグロバクテリウムが残っている可能性があるので、この後滅菌処理してから捨てる。

植物に感染させるときの液を加えているところ。
メスシリンダーに作成した液を菌体に注いでいる。

アグロバクテリウムを懸濁する。
ピペットで液を混ぜ、アグロバクテリウムが溶液中に分散した状態(懸濁)をつくる。

植物へアグロバクテリウムを感染

花芽をアグロバクテリウム感染液につけます。

感染液にシロイヌナズナの花芽をつけているところ。左のチューブの中の白く濁った液体がアグロバクテリウムの感染液。このまま5分ぐらい待つ。

感染が終わった植物を袋にいれる。

この状態で一晩湿度が高い状態を保つ。
この間にアグロバクテリウムが卵細胞にT-DNAをいれ、形質転換が起きる。
その後袋を開け、2週間ぐらい育て、種を回収する。

資料作成協力

丹羽智子、齋藤朝衣