科学オモテウラ大事典

2022年左巻健男編著(東洋館出版社)。

本の紹介

本書は「科学はおもしろい」ということを読者と分かち合いたいという編著者の思いが込められた一冊です。表紙には「コロナウィルス」、「超電導」、「人工知能」など、科学が明らかにしたりつくり出したりした物事が並べてあり、本文にはそれらにまつわる面白い話がたくさん書かれています。いずれもわかりやすく書かれており、中学1年生の息子も夢中になって読んでいました(もちろんわからないこともたくさんあったそうです)。

断熱圧縮

断熱圧縮は高校の物理で習うことです。気体を圧縮する(圧力をあげる)と温度が上昇するという現象です。気体の状態方程式(PV=nRT)によると、圧力(P)を上げたときに、体積(V)がそれに反比例して小さくならなければ、温度(T)が上昇して右辺と左辺が釣り合うことになります。
本書を読んでびっくりしたことの一つは、流れ星が光るのは断熱圧縮が理由であることでした。これまで私は高速で大気に突入した隕石や塵が、大気との摩擦を生むだし、発熱すると思っていました(奥さんもそのように理解していた)。しかし、本書によると、隕石などが大気を圧縮することで温度を上昇させているとのことでした。
こんなところにも科学の進歩があるのだなと感心しました。