変化朝顔

植物生理学会でもらってきた変化朝顔が花を咲かせました。変化朝顔は江戸時代から栽培されている朝顔の系統で、とても朝顔とは思えないような系統もあります。
下の写真はもらってきた6粒の種のうちの一つが大きくなったもので、つる(茎)が帯化しています(赤矢印)。普通のつる(青矢印)とはだいぶ異なることがわかります。

この帯化したつるは普通の朝顔のように支柱に巻き付くことができず、人がしばりつける必要がありましたが、元気に大きく育ちました。花は切れ込みの入った白い花が咲きました。

私の博士論文はシロイヌナズナの帯化する変異株の研究でした。tonsokuと名付けた変異株は根の先端が稀に割れ、花茎はしばしば帯化しました。下はその論文の写真で、花茎の横断面を示しています。左の野生株の茎に比べて、右のtonsoku変異株では3本の茎が融合したように見えます。

野生株 tonsoku変異株
Suzuki et al. (2004) Plant Journal

なんでこんなことになるのかというと、tonsoku変異株では茎頂が大きくなってしまうからです。基本的にシロイヌナズナの茎頂は発芽後ほぼ一定の大きさを保ちます。それが、変異株では少しずつ大きくなっていき、複数に分かれることで、帯化するのではないかと考えました。

写真の朝顔も茎頂を調べてみると大きくなっているのではないかと想像します。