変化朝顔 2026年その3 (Q0538)
九州大学のNBRP「アサガオ」からいただいた、 黄縮緬葉洗柿地紅紫刷毛目覆輪台咲 (き ちりめんば あらいかきじ こうし はけめ ふくりん だいざき)という名の変化朝顔です。
葉が少し黄色っぽく縮れているので、黄縮緬葉という名前になっています。 この縮れをもたらしている遺伝子cpが花の台咲もつくっています。
刷毛目は刷毛で書いたような筋がでてくるということですが、この株ではそうした模様がありませんでした。この模様はアントシアニンの配糖体化酵素のエピジェネティックな発現制御によるそうです。
花色は「洗柿地 紅紫」となっていますが、おそらく刷毛目の薄い部分が洗柿地と表され、それが出ていないために紅紫一色に見えるのでしょう。
覆輪は花の周縁部が白くなることの意です。 右の写真では花の中心部から左の方へ白いセクターがあり、覆輪か刷毛目の出方がちょっとおかしくなったのかもしれません。
葉の遺伝子型が y1 cp で、花が mg dk-m a3-Mr となっています。説明は国立遺伝学研究所のSHIGENを元にしています。
- y1 黄葉
- クロロフィルaが欠損しており葉、茎が黄緑色。古くは間黄と呼ばれた。
- dkm 易変性偽柿
- 暗色の淡い地色に濃色の細い刷毛目模様が多数入る、マルバアサガオの条斑点絞のような模様。
- 不安定だが、雀斑などと異なり、エピジェネティック変異。
- UF3GT遺伝子(UDP-glucose:flavonoid 3-O-glucosyltransferase)の上流1.1kbにTpn10が挿入しており、このトランスポゾンのメチル化が花の模様を表現している。UF3GTは配糖化酵素の一つで、アントシアニジンを配糖化し、発色させる。その発現量がメチル化の程度で変化することで、色が変わる。
- a3Mr 覆輪
- 花冠の縁の部分の色が白く抜け、境界はやや不明瞭である。切咲の花弁では覆輪の幅が広がり、逆に桔梗渦、渦変異では幅が細くなる。優性変異でヘテロ接合体は覆輪部分が細く、不連続になることが多い。
- 原因遺伝子は、a3fと同じくDFR (ジヒドロフラボノール還元酵素) 遺伝子。 ゲノムの再配列が見られるとあるので、花弁の発生に伴う遺伝子発現の変化に影響を与えて、縁のほうで発現が抑制されて、白くなるのかもしれない。