変化朝顔 2026年その2 (Q0530)
九州大学のNBRP「アサガオ」からいただいた、 青縮緬抱丸葉紫時雨絞台咲 (あおちりめん かかえまるば むらさき しぐれしぼり だいざき)という花名の変化朝顔です。
縮緬は写真のように周縁部が縮れた形を、丸葉は普通のアサガオの葉にある切れ込みがなくなった形を表しています。
台咲は花の中心部に花弁のような構造ができたものです。写真では雄しべが花びらのようになっています。 シロイヌナズナなどの研究から提唱されている、花器官の性質を決めるABCモデルの、Cクラス遺伝子の欠損によるかもしれません。
この遺伝子は葉の縮緬と花の台咲の両方を引き起こします。
紫時雨絞は花の一部に紫色の部分が現れる表現型ですが、観察したものはいずれもほぼ白一色で、かすかに青色の点が見えるだけでした。
九大の系統リストによると、葉の遺伝子型が cp co で、花が pr a3-f となっています。これらの説明を国立遺伝学研究所のSHIGENから拾いました。
- cp 縮緬
- 子葉は正常だが、通常葉は、細かな凹凸(縮緬地)の葉で、葉型もやや不整型になる。花筒が折り込まれて中央から飛び出すことが多い(台咲)。
- co 丸葉
- 翼片の全くない、心臓形の葉。Ipomoea属の標準的な葉型。優性変異で、ヘテロ接合体は翼片が小さい中間型になる。
- pr 紫
- 野生型花色を紫色に変える。多くの系統が易変性を示す。mgとの2重変異体は紅もしくは淡紅色になる。原因遺伝子は液胞のpH調整に関わるInNHXで5’UTRにTpn4が挿入している。
- a3f 雀斑
- 花冠にはアントシアニンの小さな斑点・条斑があり、しばしば大きなセクターや全色花となる。模様の境界は明瞭である。胚軸は緑色でしばしば条斑が入る。易変性で全色に転化する。園芸的には時雨絞(しぐれしぼり)と呼ばれる。ct(渦)と連鎖している。 En/Spm関連のトランスポゾンであるTpn1がDFR-B遺伝子のイントロンに挿入しておりこれが体細胞で転移するため条班や咲き分け花が咲くことが示された(Inagaki et al. 1994)
- DFRはジヒドロフラボノール還元酵素をコードしており、アサガオの花色の素であるアントシアニン色素の合成に必須の遺伝子。これにトランスポゾンが入っているときは、アントシアニンを合成できないので白くなり、トランスポゾンが抜ける(跳ぶ)と着色する。